Naomi letter No.172(’23年 9月)

Ciao a tutti!皆様いかがお過ごしですか?
今回のこのイタリア便りは9月中に送る事ができず、遅ればせながらではありますが9月の様子をお伝えさせていただきます。
9月中旬、イタリアの学校は新学年がスタートしました!我が家の近所でも、ピッカピカの幼稚園入園生や小学一年生がお母さんやお父さんに付き添われて朝家を出ていく姿を目にしました。
幼稚園児は当然ですが、イタリアは基本的に保護者が学校まで送り届ける義務があります。
下校時も保護者に児童を引き渡すのであり、児童が1人で下校する事は出来ません。子供たちだけで雨の日も雪の日も、ランドセル背負って徒歩で登下校する日本の子供たちとは大きな違いです。確かに子供を守るという視点から言うと、イタリアは責任の所在をはっきりする事に徹底し、事故や誘拐の様な事件を回避するのに最も有効な方法とも言えます。ただ、車での送り迎えが当たり前と習慣付けてしまうのは、いかがなものなのでしょうね。
良い面もあればマイナス面もありです。

ところで、ここで私のやってしまったドジ話を聞いてください!

実を言うと、我が家の次男は昨年度の高校3年生で2教科が赤点。高校4年生に進級ができるかどうかは、8月末の補修と試験の結果に持ち越されていました。幸いパスして進級が決まると、同時に企業実習が始まったのです。
次男の通っている高校は、卒業後の就職を意識したカリキュラムとなっています。日本で言う専門学校の様な感じです。そこで、高校4年生と5年生は(イタリアの高校は5年制)9月の1ヶ月が企業研修期間となっているのです。学校自体は9月中旬に始まるのですが、企業研修はその半月前から開始しそこでの出欠が学校に反映される様になっています。そんな状況で実際の登校は10月に入ってからとなりました。その直前になって、なんと高校4年生の教科書を一冊も注文していなかった事にやっと気付いたのです(焦)!

ただでさえ注文してから届くまでに時間がかかるので、かつては一学年が終わって夏休みに入ると同時に教科書リストを入手して注文するようにしていました。それでも中には始業に間に合わない教科書もあるのです。日本人の私は最初の頃、新学年がスタートしてもまだ教科書が手元にないと言う状況が信じ難く、困った困ったと届くまで気が気でなかったものです。当時、ウォーキング仲間でナポリ出身のマリアに、『ナポリでは新学年が始業してからやっと教科書注文する人ばかりだから、大概一学年の半分は教科書なくて当然という感じだったわよ』と言われて『やはり恐るべしイタリア!理解できない!!』と思っていたものです。それが、ついに私も“イタリア人化”をしていた様です(汗)!
一つ言い訳をすると、次男の高校はiPadをメインで使い教科書を使うことは殆どないのです。次男にも、必要なところはコピーさせてもらえるから教科書いらないよ!と言われました。それ故に、10月に入った現在も未だ注文しないままおります(笑)。
いくらイタリア在住30年以上であっても、日本人的感覚は失わずにい続けていると自負していたのですが・・正直ちょっと複雑です。


さて、9月下旬2週連続で週末にペルージャ見本市会場内で“オリエンタルフェスティバル”が開催されました。このフェスティバルそのものは2012年から開催されているそうで、年間通してイタリア各地を回ります。ペルージャでの開催はコロナ禍になる2年前くらいからです。コロナ禍を挟んでまた昨年からこの時期にご一行がやってきました。イタリアやヨーロッパ在住の方のみならず、日本からも職人さんや芸人さんがやってきて、今年はなんと
18人の日本人参加者が日本から到着してこのフェスティバルの日本ブースを盛り上げてくださいました。
イタリア在住の私の友人夫妻も参加していて、来場者に着物の着付けをしたり墨で名前を書いたり、日本の小物を販売したりしています。
他にも茶道を披露する方や、皿回し芸人さん、チンドン屋さん、指圧を提供する方など。海外で自分の国の文化を紹介できるみなさんを、つくづく素晴らしいと尊敬します。そこでまた、私自身は何の為にこの地で暮らしているのか?と問いかけるのでありました。
長くなってしまったので今回はこの辺で。またすぐ10月の便りでお会いしましょう。

Ciao alla prossima!
イタリアのアッシジから奈緒美でした!