Naomi Letter No190(2025年4月)

Ciao a tutti!

皆さま、いかがお過ごしですか?

日本は新年度が始まりましたね。
ご入学、ご進級、ご就職などなど新たなる一年のスタート、
おめでとうございます!

昔、イタリアの子供達に日本の学校は新年度が4月から始まると説明すると、必ず『じゃぁいつ終わるの?』という質問が帰ってきたのを思い出します。『4月から始まったら終わるのは3月に決まっているでしょ?』と当初は半分呆れて答えていたのですが、その後イタリアの学校は9月が開始で6月が終業というのを知り、なるほど・・と納得したのでした。

毎年日本の春休みに当たる時期に、こちらではキリストの復活祭(イースター)があります。
移動祝日の為に毎年違うのですが、2025年は4月20日がその復活祭でした。学校は基本的に、その復活祭の日曜日と翌日の月曜日(イースターマンデー)の前後6日間が復活祭休暇となります。

イタリアは4月25日が解放記念日(終戦記念日)で祝日となっているので、今年は学校や企業よって長い休暇としたところもありました。
日本のゴールデンウィークの様ですね。

因みに昨年は復活祭が3月31日で、その日に丁度イタリア人7人と日本に上陸したのでした。早いもので、もう1年以上経ってしまいました。
そうそう、あの日本旅行から一年のこの時期になんとあの時のグループの一組のご夫婦の娘さんと、私のお向かいさんでありグループの隊長だったアルバの息子さんが、それぞれ日本旅行を実現させたのです!

アルバの息子さんはまだこのイタリア便りを書いている今も日本を満喫中ですが、夫妻の娘さんの方は既に帰国しており、日本は本当に素晴らしくて帰りたくなかった!とメッセージをくれました。

為替のお陰でかつて“高すぎて今は無理だけれど、いつか実現させるのが夢”だった日本旅行が、今やエコノミーな国となってしまった事への複雑な思いはありますが、訪れた人たち誰もがより一層日本を好きになってくれる事はとても嬉しく日本を誇りに思います。

6月終業となるイタリアの学校生活なので、この時期は遠足や修学旅行の多い季節です。高校5年生で2ヶ月後には卒業試験を控えている次男も、今月は修学旅行がありスペインのバルセロナへ行ってきました。
陸続きでしかも身分証明書だけで行き来できるヨーロッパ共同体の中のメリットは、学生のうちから“外国”が身近な事ですね。

トスカーナ州のコルトーナ”聖フランチェスコの小部屋"のある修道院聖フランチェスコ大聖堂

さて、公私ともに行事も多く慌ただしい4月でしたが、2月に気管支炎で入院され、その後肺炎や呼吸器困難などで何度か危険な状態になりながらも3月23日に退院された第266代ローマ教皇フランシスコ(イタリア語はフランチェスコ)が、4月21日に88歳で死去されました。の復活祭にバチカンのサン・ピエトロ大聖堂前広場に姿を現したのが最後のお姿となりました。イースターマンデーの朝の事で、そのニュースが流れた後に私の暮らす地区の教会の鐘も鳴り響きました。

2013年にローマ教皇に選出された際、教皇名はアッシジの聖フランチェスコにあやかりました。13世紀の聖フランチェスコは“清貧の聖人”と言われています。あくまでも質素に、フランチェスコ教皇自身がその葬儀の簡素化を生前に定め、棺も直接床に置くようにと言われたそうです。

26日に行われた葬儀には、各国の要人達が参列した他、広場や埋葬先のローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂前、バチカン市国からの道沿いにお別れの為に集まった人々は40万人とも言われます。
どんな宗教であっても目指すのは世界平和であるはずです。

これから次のローマ教皇選出がされるわけですが、この一つの節目から、いかなる宗教でもいかなる人種でも、改めて戦争のない平和な世の中を目指す事を祈りたいと思います。

では、今回はこの辺で。皆さま、どうぞお元気にお過ごしください!

Ciao alla prossima!

コルトーナの町は2003年に公開されたダイアン・レイン主演の映画『トスカーナの休日』の舞台。標高494mと言う高台で,旧市街は城壁に囲まれています。

イタリアのアッシジから奈緒美でした。