奈緒美のイタリア便り

No143
(2021年3月)

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Ciao a tutti!

皆さま如何お過ごしですか?

あれよあれよと言ううちに3月も終わろうとしています。
例年に増して早く感じているのは、私だけでしょうか?

日本は年度末でしたね。
ご卒園ご卒業、ご定年など様々な節目を迎えられた方々に 心よりお祝い申し上げます。

相変わらずはっきりしない状況下ではありますが、数々の体験をバネに、また新しいスタートを迎えられますようお祈りいたします。

先月のイタリア便りの中でワクチンの話を取り上げ、私の近しい人からはまだ接種したと言う話を聞いていないと申し上げましたが、投稿直後にあちこちから摂取した報告が耳に入って来ました。そしてそのまたすぐ後に、安全性を危惧しての接種一旦停止と言う事態も発生しました。

つい先日の次男の質問。
こんなにワクチン接種をした人が多くなったのに、何故未だに感染者数や死亡者数は減らないし、学校も
リモートのままだし規制だらけなわけ?

さて、何ででしょう・・母も分からないことだらけです。

とは言え、今回は別の話をしたいと思います。

春分の日が今年は320日でした。
毎年3月と言うのは天候も変化しやすく、少し暖かくなったからと決して油断はできないのですが、今年もこの春分の日前から気温が下がり、春分の日から3日間はものすごい強風に見舞われました。まだまだ暖炉に頼る我が家です。 

その強風が去り、ようやく春の穏やかさを感じているところですが、我が家の庭や外の原っぱにはマルゲリータの花が一斉に咲いていて、まるで花絨毯の様です。

 このマルゲリータに関して。
マルゲリータ=マーガレットと長年私の中で揺るぐ事なく認識しておりました。が、少し前にこのホームページの恵美子さんから、"ヒナギク、デイジーですか?"とご質問をお受けしてから、ちょっと気になり始めました。元々イタリア語は大雑把で・・と言うと語弊があるかもしれません。正式には言葉を扱うイタリア人が大雑把でして、動く生き物は全て動物と総称で通じてしまう感じ・・勿論言い分ける言葉はあるのですが、別に厳格に示さなくても済んでしまったりするのです。なので、原っぱに咲くいずれの花をマルゲリータ(複数形マルゲリーテ)とイタリア人が呼んだとしても、別におかしくない話で、私もすっかりそんな大雑把さに慣れ切っている感じもします。デイジーと言うと、私の中ではもう少し背の高い別の花の記憶があったのですが、イタリアの国花がデイジーと聞き、"あれ?マルゲリータ=マーガレットだとばかり思っていたのだけれど"と。

 そんな中、四半世紀以上前、イタリアに住み始めて間も無く知り合い、今尚お互いイタリア暮らし。繋がっている日本人の一人のお友達が教えてくれました。
英語のデイジーは、その語源はDAY'S EYE、花が朝開き夕方閉じる事から、古英語の太陽の目の意味でついたそうです。 

イタリアの国花とされるマルゲリータは、この春になると一斉に原っぱに咲くこのマルゲリータ、私がマーガレットと信じ込んでいたこのヒナギクで良いのだそうです。
彼女は一時、野草を調べていたことがあったそうで、何に関しても知識があり尊敬しているのですが、今回この様な回答を授けてもらえたお陰でスッキリしました。感謝です。

デイジーをネットで調べると、多年草、但し日本では一年草扱いとあります。
学名でならもっと種類により区別もされるのでしょうけれど、一般的に日常生活の中で使われる、いわば生きた言葉の中では、きっと同じ名前で該当する花の種類は沢山あるのでしょうね。だから、いくら便利になったネット社会とは言え、マーガレットにしてもデイジーにしても雛菊にしても、調べて表示される写真の可能性がいくつかあり、たまたま最初に開いたものだけ見るのはある意味危険な行為だと感じる出来事でした。学びです(笑)

 ちょっと話は飛びますが、
一年以上外出を規制され(こちらイタリアは特にロックダウンが繰り返されました)
私達の頼れるものは常に情報でした。今も同じくです。ただその情報も、全てを信用するのではなく、何が正しいか何が偏っているか、自分できちんとアンテナを張っていないと危険であると強く感じています。

 私たちは特に今回のような流行病を前にすると、まずは不安や恐怖を感じてしまい、どうしても何かにすがりたくなります。でも、一旦は落ち着いて、世間に流される事なく一人一人が物事の本質を見極めていく、情報を淘汰していくと言うことが必要なのではないでしょうか。

まずは疑問を持つ・・・

長年信じ込んできたマーガレットをデイジーと呼んだりヒナギクと呼ぶ事もあるのだという日常の小さな発見と、その疑問につながる質問から気付かせてもらえた学びでした。
そう考えると、先に申し上げた次男の指摘は中々冴えているのでは・・と思った次第です。

 日本はもうすぐ新年度、令和3年度が始まります。
物事は全て必ず良くなるはず。
深呼吸してしっかり大地に足をつけて歩んでいきたいです!ね。
地球に感謝、宇宙に感謝、全てに感謝。
私のこの様な手紙を紹介して下さる恵美子さんと
読んでくださる皆さまに心から感謝いたします。

 どうぞお身体くれぐれもご自愛くださいませ。

Ciao alla prosshima!

イタリア・アッシジから奈緒美でした。