奈緒美のイタリア便り

No138
(2020年10月)

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Ciao a tutti!

皆さまお元気でお過ごしでしょうか。

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バール(イタリアでは喫茶店の感覚)やレストラン等飲食店の営業は18時まで
レストラン内でのテーブル席はテーブルに付き最大着席数4人まで

映画館・劇場・コンサート会場などの施設の営業停止(博物館に限り営業許可)
屋内・野外問わずコンサートやイベント・パーティは禁止
プールやスポーツジムの営業停止
ダンスホール・ディスコは引き続き営業禁止
交通手段を問わず移動は最低限のみ、自粛する事
学校は幼稚園・小中学校は対面で実施(登校)するが、高校は最低75%をオンラインでの授業で対応する事

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突然ですが、この度発令されたイタリアの首相令の一部です。
この発令は1026から実施され1124まで有効とされています。
この他外出時のマスク着用義務は既に罰金対象となっていますし、私的住居内で家族以外の人の出入りを避ける事なども言及しています。

 イタリアは他のヨーロッパの国々と同様に、新型コロナウィルス第波真っ只中にあります。
1日に3000人単位で新たな感染者が増え続け、あっという間に2万人を超えてしまいました。 

次男が咳をし始めて学校を欠席した10月中旬の週は、PCR検査の数が12万件以上で感染者数が12000人と、10人に一人の割合で陽性と言う結果が出ていました。学校の規則により、欠席が4を超えるとホームドクターの診断書を持たせなければなりませんが、当然ホームドクターは風邪の症状がコロナであるかどうかはPCR検査をする以外に判断出来ません。

そこで、ホームドクターが地域の保健所に連絡を入れ、学生枠検査対象として保健所から検査日時の指定の電話が対象者に入る流れになっています。次男の場合は金曜日の朝にホームドクターに電話を入れたのですが、翌日土曜日の午前中、13時頃にくるようにと言う連絡がありました。

車のまま列に並び、窓を開けて唾液採取です。検査結果はオンラインで確認します。

幸い次男は陰性で、翌週月曜日は元々オンラインのリモート授業の日だったので出席し、その日のうちにホームドクターから診断書を書いてもらう事で火曜日から登校する事ができました。

学校では9月の始業前から陽性で欠席していたクラスメイトがやっと復帰していたそうですが、別のクラスメイトが仲の良い友人が陽性と分かり自己隔離期間とされて欠席していると言っていました。そんな不安な状況の中でオンライン授業が週一日から週三日に増やされましたが、そこに今回の75%対応の首相令です。結果、次男は週休一日の学校だったので今週から登校二日、オンライン四日となります。長男の方はと言うと、今まで週休二日で五日間の登校日を一日置きにオンラインで対応していましたが(週毎にオンライン二回と三回が交互)、今週からは週一日のみ登校で残り四日は自宅でオンラインの授業となりました。

二人の共通の言葉は
登校での授業の方が断然良い。
自宅でのオンライン授業は辛いし何より理解するのが難しい。 

確かにPCの前でずっと座って、授業に集中するのは難しいとは思います。
不思議なものですね。ふと、これだけデジタルな時代になり、友達と遊ぶと言うと専らオンラインでゲーム対戦というのが当然のスタイルだった現在の子供達に、再び生身での人との繋がりやコミュニケーションの大切さを気付かせる為の流れなのでは無いかと思ってしまいました。

勿論、引きこもりや対人恐怖症などでオンラインで救われたと言う人も沢山いるだろうとも思うのですが、我が息子達にとってはこの状況が長く続くとなると不安の様です。
とは言え、この新型コロナウィルスが落ち着いてくれなければ正直登校させるのも心配です。 

2020年も残り2ヶ月となり、イタリア人にとって宗教上最も大切なクリスマス、そして年越しの時期をいかに迎えられるかは、私たち人のこの期間の行動にかかっていますとコンテ首相。ただ、既にロックダウンで経営に痛手を受けた飲食店関係者達はやっと少しずつ新しいスタイル(一度の入店人数規制など)で頑張り始めていたところにこの発令で、各都市で大規模な反対運動を起こしています。人の行き来が多いのは昼間であり、18時での閉店とは全く理にかなっていない!と言うのが彼らの主張です。 

経済を考えて3月4月の様なロックダウンを回避する為の対策とは言われるのですが、どこで線を引くべきか、何を良しとして何を避けるべきなのか。
一体誰がこれが正しいと言う回答を出せるのでしょうか。
きっと全て収束した後で振り返った際に。

申し訳ありません。
今回は明るい話題ではなく、今実際私が経験しているコロナ第波の話のみになってしまいました。日本はGOTOキャンペーンなどでWITHコロナ時代を進めていますね。明らかに感染具合は日本の方が低い様ですが、ウィルスがなくなった訳ではありません。
どうぞ 正しく恐れて適切な予防を忘れずに、
その上で明るく活気溢れる日本を応援しております。

紅葉が美しくなる季節でしょうか。
何卒皆さま、お身体を呉々もご自愛下さいませ。

Ciao alla prossima!

イタリア・アッシジから奈緒美でした。