奈緒美のイタリア便り

No133
(2020年5月)

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Ciao a tutti!
日本は緊急事態宣言の下の大型連休ですが、例年の様にご旅行されたり故郷に帰省が出来なくとも、皆さまが健康で充実した日々をお過ごしでいる事と願っております。
 
前回のイタリア便りは、W次回はぜひ明るい話題を"と結びました。
イタリアに関しては、3月10日からのロックダウンが5月4日以降徐々に解除される事になりました。長かったトンネルの先に、やっと微かな光が見え始めたと言って良いかと思います。
それでもまだ1日の死者数は300人以上、イタリアでの新型コロナの犠牲者数は2万7千人を超えています。イタリア同様に新型コロナ対策で段階を追っての解除に踏み切るとしていたフランスやドイツが、再び感染者増加傾向となり計画をストップした例を思うと、まだまだ気は緩められません。
5月4日の段階では、家族や親族に会いに行く事が可能になります。ただし、マスク着用、家の中でも1m以内に接近しないという条件付き。恋人や友達は家族・親族にはみなされないとの事です。個人での散歩やジョギング等が許可されます。バールやレストランは持ち帰り専用でのみ営業再開。その場での飲食を共にするオープンは6月1日以降です。
一般のお店の再開は5月18日以降、美容院やエステなどは6月1日以降でなければ営業再開できません。学校再開に関しては、既に直接来年度の9月と決まっています。
従って、まだまだ幸運にも軟禁生活をしていられる状況の私は、5月4日以降もしばらくは状況は変わらなそうです。2ヶ月も外出をせず篭った後では、いざ外出するのに勇気がいりそうです。車も全く運転していませんでしたし・・
外出規制解除後すぐは、車の事故が多いのではと心配している友人がいました。
気を付けなければ!
と、散々心配されていたイタリアですが、今は日本の状況を心配しています。
この大型連休中、住人の方々の心からの訴えにも関わらず、自然に触れる為、都会から離れる為、日常と違う日々を過ごす為・・聞けば全て自分中心で自己満足の為と言う理由で沖縄を始め、地方に渡っている人が少なくないと知り、深い悲しみを感じています。
"気を付けていてもかかる時はかかるから"と答えていた若者もいました。ニュースの一部だけの報道では、もしかしたら100%当人の意図する意味とは違く伝わる可能性もあります。が、それにしても・・です。
多くの方々が言っていますが、
この新型コロナによって、私達の本質を問われている気がします。
大変な状況下で、家族や親戚・友人・自分の大切な人に始まり、周りの方々を如何に思いやる事が出来るか。
自分へのリスクと引き換えに治療に当たって下さっている医療従事者の方々への敬意や、不安の中でスーパーや宅配など、必要とされる業務に当たっている方々を前に、私自身は自分の無力を感じます。では、無力な私に何ができるか?
せめて自分が感染しない、決して感染させないという事ではないでしょうか。
家にいても、大怪我をすることもあれば具合が悪くなる事だってある得るのです。でも、今はひっ迫した医療機関に、いかに自分が迷惑をかけずに済むか・・そこに集中しなければならないと思っています。
イタリアの例をみても、この感染力の強い新型コロナを終息させるのは、長い長い期間が必要なのは間違いありません。今では断絶は無理なので、共存する方法を考えるべきと科学者の方々が仰っています。
先程見ていたNHKの番組の中で、宇宙飛行士の野口聡一さんが、ストレスにしない為の秘訣は"日数を数えずに一日一日をこなす事"と言われていました。私も2ヶ月近く外出せずに過ごしながらも、なぜかやる事が多くて一日一日あっという間です。
折角堂々と自宅に篭っても良いと与えられた期間ですから、この機会に今出来る事を一つ一つこなせると良いですね。
心も身体も健康に、皆さまも私もこの時期を無事に乗り越えられる事を心から祈っております。
Ciao alla prossima!
イタリア、アッシジから奈緒美でした。