奈緒美のイタリア便り

No150
(2021年11月)
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Ciao a tutti!
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
 
恒例の口癖みたいですが、早いですね〜
あれよあれよという間にカレンダーが最後の一枚を残すのみとなりました。
とにかく毎日慌ただしくあっという間です。
この時間の速さ、感じ方は年齢が関係しているのかしらねぇ?と友人に問いかけたら、それはジャネーの法則だと教えてくれました。初耳だったので調べてみたら、19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネが提唱したものを、心理学者である甥のピエール・ジャネが著書にして紹介した法則で、時間の心理的長さというのは年齢に反比例する事を説いたものです。簡単に言うと5歳の子供が感じる1年と、50歳の人の感じる1年では断然50歳の感じる1年の方が短い!という事なのだそうです。教えてくれた友人もたまたま少し前に何かのテレビ番組で知ったのだとか。
その少し前に、私はパーキンソンの法則とやらを初めて聞き知りました。パーキンソン病の話ではなく、パーキンソンの法則です。人は時間やお金などを与えられたら与えられただけ使い切ってしまう。例えば30分あればやりこなせる事なのに1時間以内でと設定すると、結局1時間フルに使う結果となってしまう。また、冷蔵庫やクローゼットを大きくすればするだけ結局ものが増えてしまい、いつも満杯状態であると言う話です。 
どちらもそうそう、あるある!と思わず大きく相槌を打ってしまうお話ですが、しっかり法則として提唱している人がいたという事には驚き発見でした!
・・・なんて、冒頭から特にイタリアとは関係のないおしゃべりでした。
さて、11月にあったイベントとしては、9日から3泊で長男がドイツのミュンヘンに修学旅行でした。通常は3月4月が遠足や修学旅行の季節なのですが、長男の通う学校の校長はが、いつまた事態が急変するかわからないので今のうちに全ての学年の遠足を済ませてしまおうと、前倒しで遠足や旅行の実地を決めたとの事です。約2年色々な行事が中止されてきたのですから、学生たちにはやっと!という感じでした。
高校5年生全体をクラス毎に二つに分けて、前半のグループは10月26日から出発、長男が含まれる後半のグループが11月9日にからとなっていたのです。
保護者に知らされてから料金の支払い期限は短く、一部の保護者からは不安と不満の声が上がっていました。そんな中前半グループは滞りなく旅行が実施されて、参加したご近所の娘さんもとても満足して帰ってきたのですが、後半グループが出発する直前になんとドイツで感染急増のニュースが騒がれて、イタリアからドイツに陸路で向かうにはどうしても通過しなければならないオーストリアも水際対策で国境通過を厳しくするとの宣言が出されてしまいました。
中止にするかしないかギリギリまで騒がれたのですが、最終的には各家庭に同意書サインを求められての出発。何故なら企画した旅行会社側ではキャンセル料の払い戻しはできないと言われてしまったかららしいです。
元からドイツ側ではグリーンパス(ワクチンパスポート)必須、しかもイタリアはコロナ感染歴がある場合完治してから6ヶ月はグリーンパス有効とされますが、ドイツではワクチン2回接種、若しくはPCR検査において簡易検査結果の陰性証明48時間有効ではなく、より信憑性があるとされる分子検査での陰性から72時間有効のグリーンパス以外は認めないという厳格さ。その為ワクチン未接種者やコロナ感染歴のある学生は出発日の数時間前にPCR検査を予約し、また現地ドイツからの帰国日もその前日に現地での検査を手配されての旅行でしたが、加えて観光スポットに組み込まれている美術館博物館によっては入場を拒否されるかもしれないと事前に言われてました。マスク着用も義務でしかもFFP2型という立体型マスク限定という徹底ぶりの中旅行実現となりました。
私としては、行くからにはしっかり予防をしつつそれ相応に楽しんで来てほしいという思いで送り出した次第です。ただ、さすがドイツ、ミュンヘンの朝は1度とか2度だったらしく長男は思いっきり風邪をひいて帰ってきました(汗)。熱はなかったのですが念のためにPCR検査を受けさせて結果は陰性でひとまず安心。ただ、他のクラスに2人程帰国後に発熱があった学生がいて、検査結果が出るまではみんな落ち着かなかったと思います。
日本の友達にこの修学旅行の話をしたら、かなりびっくりされました。
日本ならきっと即中止だったに違いないと。
まぁ、イタリア全てが同じ対応だったとは思えませんけれど、今回は結果オーライで学校側もかなり胸を撫で下ろしたに違いありません。
何はともあれ、無事に一つの大きなイベントが終わってやれやれです。
収束するどころかまた新たな変異株が見つかったとニュースが賑わっています。
冒頭の話に戻りますが、私などはコロナ禍で色々不憫があっても一年経つのは早い!と思うのですが、子供たちにしたらこの1年2年、コロナ禍で規制されながら過ごす時期はきっととてつもなく長く感じているのではないでしょうか。成長過程での大切な時間、早く不安の煽りから解放されて伸び伸び生活できる様になってくれるようにひたすら祈ります。
もうところどころでクリスマスのイルミネーションが設置されたお宅がみられます。
我が家も飾り付け一式をガレージから引っ張り出してこなければ。
 
年の瀬も迫ってきておりますが、皆様どうぞお身体ご自愛くださいませ。
Ciao alla prossima!
イタリアアッシジから奈緒美でした。