奈緒美のイタリア便り

No148
(2021年9月)

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Ciao a tutti!
皆さま、いかがお過ごしですか?
酷暑と言っていた夏も過ぎてみるとあっという間です。
日本は台風の季節ですし、こちらもずっと降っていなかった雨がまとめて降るので各地で災害を起こしているのが気になります.
アフガニスタンの情勢も不安定すぎて心配ですし、でも相変わらずコロナのパンデミックに関するニュースが常にトップにある世の中ですね。
2021年も残りわずか4ヶ月少々となってしまいました。
これから寒い季節に向かっていきます。
日もだいぶ短くなりました。
息子たちの3ヶ月以上の夏休みもやっと終わり、イタリアも新学年度が開始しました。
基本的には登校授業で進めていくという方針です。
そして、教育現場での職員は全員グリーンパス所持者(有効期限内)である事が義務となり、職場に入る前にタイムカードのようにグリーンパスチェックを通ります。
 グリーンパスはワクチン接種1回目以降15日経つと保健省からメールで発行通知が来ます。3回目接種必要という協議もされてはいますが、今現在は2回目接種が完了するとそこから12ヶ月の有効期限となります。つい最近9ヶ月有効から12ヶ月に延長しました。
 ワクチン未接種者の場合はPCR検査の陰性証明が出てから48時間有効で、自然免疫保持者の場合は治ってから6ヶ月間の自然免疫証明が有効となり、6ヶ月後にワクチン一回接種をしたらそこから12ヶ月の有効となります。
 朝活の早朝ウォーキング仲間でありご近所さんでもあるアルバは、私の長男ジュリアーノが通う高校の総務長なのですが、学校自体は小学・中学部もあり更にコンヴィットと言って寮もあって中にはイタリア内でも外の州から、また外国からの学生たちも毎年多くいるので、学生の数もさる事ながら働く職員さんを相当数抱えています。
学生たちに関しては、大学生のみがグリーンパス義務となっていて高校生以下は義務付けられてはいませんが、寮生活をする学生はグリーンパス所持を条件とし、更に外国からの留学生の場合は寮に入る前に提携しているホテルにて一定の隔離期間を経てから更にPCR検査で陰性となって入寮と徹底させたそうです。
学生たちの開始はこのウンブリア州では9月13日だったのですが、職員たちは9月1日から勤務体制となりました。ただでさえ新たに配属されてくるスタッフとの顔合わせなどで大変なのに、中には予想していた通りグリーンパス未所持のまま出勤してくるスタッフがいて、その対応に追われた様です。
学校側も規則を守らないと罰金取られてしまうので、恐らく多くの皆さんの中にはイタリアだからいい加減で、なぁなぁにして仕事につかせてしまうのだろうと思う方もいるかもしれませんが、いえいえそんなことをしたら自分の首を絞めることになるのです. 
だから、規則を守らずにいる職員さんもどんなに頼んでも拝み倒してもダメなものはダメなのに、必ずいます、諦めの悪い人。それなら薬局で簡易のPCR検査ができるのでして来てくださいと言ってもそれすら拒否する人がいるとか。 グリーンパスがないという理由で欠勤が4日だったか続くと失業となるのだそうですが、雇う側も仕事にならないしスタッフ不足となるリスクもあってより一層余計な仕事とストレスを抱えることになると嘆いていました。
我が家は相変わらず私と次男が未接種です。長男は新学期始まった翌日の午後に2回目摂取に行って来ました。一回目より副反応が強くて学校開始して3日目4日目に早くも欠席となる状況でしたが今は復活しています。
次男は一度、仲良しのクラスメイト君の誕生日会の際にグリーンパスが必要でPCR検査を受けて取得しましたが、今のところ無しでもとりあえず過ごせています。
ただこれから寒い時期になっていくので、屋内での活動が進む様になればもっとその必要性をかじるかなと思っています。ことの成り行きに任せましょう。 
なんて呑気なことを言っていたら、9月16日のイタリアの閣僚評議会で新たに法令が承認されました。マリオドラーギ首相は、国を開放し続ける為にはワクチン接種を増やして冬の到来に備える必要があるとして、10月15日から公的か私的かに関わらず全ての職場でグリーンパスを義務化としました。万が一所持していない場合は即日からお給料の支給が停止だそうです。従業員15人以下の規模の場合は5日間の猶予がある様ですが、これはかなり強制力がありますね。
私は会社勤めをしていないのでこの法令には直接問題ないのですが、もしかしたら来月は接種済みかもしれません. 

グリーンパス導入にいろいろ意見はあるけれど今のイタリア(少なくとも私の住む辺り)は大分活気が戻っています。

8月末ごろは夏休み最後の人も多く、アッシジや、ペルージャも主要都市は当然ながら観光客で大賑わいでした。 宿泊施設も満室だったみたいです。

昨日まで週末3日間はウンブリアで一番といっていいくらい大規模で重要な見本市、アグリウンブリア(アグリは農業コルトゥーラから来ています)が2年以上ぶりに開催されました。主人の働くバス会社のガレージが見本市会場入り口の一本平行した道にあるのですが、見本市会場の駐車場もあふれていて、道端に止めていくものだからバスが曲がれず大変でした。
でもうれしい光景でした。

ここのところ、明るい話をしたいのにどうしてもワクチン問題のイタリア便りになってしまいがちです。来月のイタリア便りは別の話題をお届けしたいです。
皆さま季節の変わり目ですので、コロナに限らず体調くれぐれもお気をつけくださいね。
 Ciao alla prossima!
イタリアアッシジから奈緒美でした。