奈緒美のイタリア便り

No147
(2021年8月)

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Ciao a tutti!
残暑お見舞い申し上げます。
皆さまいかがお過ごしですか?

懸念していたオリンピックも200以上の参加国の下、無事幕を閉じましたね。
次はパラリンピックの番。
 正直私はオリンピック&パラリンピックの開催には反対の意思表示をしておりました。
何故なら、どこも福島東北復興アピールのオリンピックの要素は見受けられなかったし、国民により盛り上がる催しというよりも、国民にばかり犠牲を強いたイベントという印象だったからです。
でも、純粋にスポーツに挑む選手たちの姿勢には素直に感動しました。
日本イタリア両国ともメダル獲得数も多かったですね。丁度、次男の二2ヶ月に一度の点滴治療の為に病院の病室にいた8月5日、看護師さんが気を利かせてリモコンを持ってきて下さりテレビをつけたところ、男子20Km競歩のゴール直前というタイミングで、その後イタリア人選手に続き二人の日本人選手がゴールをするという感動的シーンを目にする事が出来ました。
普段は全然追うことのない競技なので選手の名前も顔も知りませんでしたが、偶然とはいえイタリア国旗と日本国旗が表彰台に並ぶというのはより一層感慨深い光景でした。
スポーツ好きの息子たちは、オリンピック期間中は時差があるので夜中に起きたりしてテレビ鑑賞していたようです。 
次はパラリンピック、やるからにはしっかりと日本の役目を果たして欲しいと願っています。
さて、イタリアでは7月22日の閣僚評議会でグリーンパス法令が承認されました。
8月6日より12歳以上を対象に、レストランやバールでの屋内の消費、博物館や美術館・映画館への入館、屋内スポーツジムやプール、ゲームセンターや文化施設、見本市会場などなどにはグリーンパスの掲示が求められるのです。万が一確認を怠ったり、所持していない人の入場入館を許可した様な場合には、主催者や営業者側にも€400以上の罰金が課せられ3回繰り返すと懲役のリスクもあるそうです。言い方を変えるとグリーンパスのない人は極端に行動を制限されるという事ですね。
グリーンパスは所謂ワクチンパスポート。
CovId19のワクチン接種をするか若しくはPCR検査の陰性証明を取ることで所持できます。
パスはアプリにコードを入力してという作業が必要です。
お隣のフランスで導入したことでイタリア政府もそれに続けと、あっという間に導入されてしまいました。もはや、このワクチンが未だ治験中であるという事実はないものとされています。
フランスを始め、イタリアも世界中でもこのワクチンパスポート導入に関する抗議デモが行われていて、強制力を持たせるべきではないと訴えていますが、未摂取者に一刻も早く摂種する様にという体制は強化されるばかりです。
ワクチン接種反対ならPCR陰性証明を持ってれば済むのでしょ?と軽く思われるかもしれませんが、その場合の有効性は48時間。そして現在イタリアではワクチンは無料ですが、PCR検査は有料です。学生は6月末までは無料で受けられたのですが、7月以降は有料となり料金は今現在18歳未満の未成年者は8ユーロ、18歳以上は15ユーロとなっています。それを2日ごとにしなければならないとなれば、経済的にももちろんその様な時間的拘束を考えてもワクチン接種の方に向いてしまいますよね。
このグリーンパスがあれば安心なのかと言えばそうではないと言われているし、
しかも、グリーンパスがあっても更にPCR検査も受けなければならないケースというのも少なくないし。
というのが私の腑に落ちないところですが。しかも薬の認可を行おうという動きは無し。
我が家では夫が5月にJ&Jの一回摂種のみでOKというのを接種済みです。
州によるのですが、私の住むウンブリアはワクチンを選択できません。夫の場合は一回ですむし
J&Jだったら良いのだがと言っていたら、偶然にもそれにあたりました。かなり少ない可能性だったみたいです。 
6月末に18歳になった長男は、私と共に接種を見合わせてはいましたが、グリーンパス法令が承認されたことで自らサイトにアクセスして申し込み、8月17日に第一回目の接種をしてきました。
イタリアでは現在60歳以下にはアストラゼネカは接種できない事になっています。長男の仲間はほとんどファイザーと聞いていたので長男もそうだろうと思い込んでいたら、モデルナでした。接種して2日は腕が痛くて上がらないと言っていましたが、他の副反応は特には見られずホッとしています。
9月1日からは学校職員及び大学生にもグリーンパス無しでは学校内への入校禁止となるそうです。また、飛行機はもちろん特急列車や高速バスなどの交通機関にも掲示が求められる様になるので、私もそろそろ覚悟を決めなければならないかもしれません。先日注射器を持った人にワクチン打て!と追いかけられた夢を見ました(汗)。
何にしても、自他共に命を大切にしたい想いはみんな同じです。
Covid19にばかりフォーカスしがちですが、地球上天災地変に戦争に不安材料は沢山あります。
果たして今の世の中を100年先の歴史の本にはどう評価しているのでしょう。
などと先の事より、常に今この時を大事に生きていきたいと思う、2021年8月でした。 
皆さま、何卒ご自愛くださいませ。
Ciao alla prossima! イタリアアッシジから奈緒美でした。