奈緒美のイタリア便り

No140
(2020年12月)

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Ciao a tutti!

2020年も残りわずかになりました。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

この2020年は正にコロナ一色だった気がしますが、年末のここにきて、今度は変異種が出たと言うニュースに驚かされています。たまたま耳にしたニュースキャスターの言葉が耳に残りました。

私たち人間はウィルスの事を学び研究していますが、どうやらウィルス側でも私たち人間を学んでいるようです
ウィルスも生き延びる為に変化をしていると言う事の様です。

 イタリアにおいては、クリスマス期間内の祝祭日と日曜日、その前日を国内全土レッドゾーンとみなし、ロックダウン状態とされています。ただし、多少猶予付きのロックダウンです。

家族や親戚との繋がり重視のイタリア人にとって、クリスマスは大切な宗教行事であると共に、親戚集結のイベントです。教会ごとに感染対策が取られた上でミサは開かれ(第一派中のイースターは中止、もしくはオンライン対応でした)、食事には同居していない家族以外、大人二人と14歳以下の子供までは一緒に過ごして良い事とされました。レストランは休業なので家庭においてです。そして、移動範囲は制限され、基本的に市外には出てはいけないのと、門限は常に22時でと言う条件つきでした。

正直なところ、直前まで一転二転とされた為に、最後は混乱して何が良くて何が駄目なのかわからないと言う声が多かったのも事実です。一つ言えるのは、今年のイタリアのクリスマスは家族で過ごす静かなクリスマスでした。とは言え、自宅で隔離中の人、入院中の人、またクリスマスも治療に専念している医療従事者の方々を思えばそう過ごせた方々は私たちも含め恵まれていたという事ですね。

 昨年のクリスマスや年末に、まさか来たる2020年の行方がこの様であるなんて誰も予想できませんでした。なので、私は強く、来年2021年も今誰も想像する事が出来ない様な年になると確信しています。但し、これでもかと言うくらい良い事だらけの年になる事を。

この世の中はプラスとマイナス、陽と陰のバランスで成り立っていると言われます。
だとしたら、今年がマイナス・陰の年だったので、きっと次に来るのはプラス・陽のはず。

 オーストラリアでの火災はどうなったのか、犠牲になった動物達、助けられた動物達のその後は?地球温暖化は?プラスチックゴミを減らす運動は?日本と隣国の問題は?拉致問題の進展は?原発はどうなるのか?アメリカ大統領選挙における真実、そして時期大統領は?

 重要であるはずのこれらの問題を、まるでコロナが隠れ蓑にとなってしまった気がしてなりません。個々で活動されていたり、アンテナを張っている方々もいるのでしょうが、あまりにもメディアが日本もイタリアもコロナにばかり振り回されている気がするのです。

勿論、イタリアに限らずヨーロッパでは犠牲者が多いので、深刻である事は間違いありませんが、その報道も今では一体どこまでが事実に忠実で、どこからが過剰報道であるのか・・。

実際情報が混乱しすぎている様子は否めません。

 この一年は、何が普通なのか考えさせられたり、当たり前は実は当たり前ではなかったという気付きがあったり、仕事や家族のあり方、子供達の学校生活や人との接し方など、全ての面をガラッと変えざるを得ない状況でありました。

 イタリア人が常にマスクをして、挨拶にハグもキスもせず、お店に入るときには列を作り順番待ち・・そんな光景を誰が想像出来たでしょう(笑)?

私たち一人一人が、置かれている状況にきちんと対応していく必要性を学んだとも言えるかもしれません。 今度は私たち一人一人が、情報に流される事なく自分自身で何が真実であるのかを、見極める力が必要なのではないでしょうか。

 2020年は抹消するべき年という方もいますが、私自身は色々考え気付きを与えられた貴重な年だったと思っています。そして、当たり前だった事全てに改めて感謝する年でもありました。

 本年も、このイタリア便りをご覧頂いた皆様へ、心からありがとうございます。
また、辛抱強くこの便りを掲載し続けてくださっている恵美子さんに、心からお礼申し上げます。

皆さま、今年も大変お世話になりました。
残り僅かの2020年が穏やかに役目を終え、新しい年にバトンタッチできます様に。
来たる2021年が、皆々様にとって素晴らしい年であります様にお祈りします。

笑う門には福来たる!

イタリア語では Gente allegra il ciel l’aiuta直訳すると陽気な人は天が味方するすが
私の好きな諺です。

沢山笑って免疫力を付けていきましょう。何よりも強力なワクチンになるはずです。

 また来年も引き続きよろしくお願い致します。

 Ciao all’anno prossimo!

ではまた来年!
皆さま良いお年をお迎えくださいませ。

 イタリアアッシジから奈緒美でした。