奈緒美のイタリア便り

No139
(2020年11月)

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Ciao a tutti!

皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 前回イタリア便りで首相令が発令されたとご報告しましたが、その後事態が更に深刻化した為すぐに改定となりました。イタリアを全国一まとめでは無く、感染者数や医療のひっ迫度等により州ごとに、イエロー・オレンジ・レッドの3つのゾーンに分け、それぞれに適した規則が設けられる事になりました。

レッドゾーンは一番深刻な地区とみなされ、いわゆるロックダウンです。前回のロックダウンと違うのは、学校を全面的に閉鎖した訳ではなく、オンライン対応の難しい幼稚園・小学校と中学1・2年生は通学続行させているという点です。

私の住むウンフリア州は、当初一番危険度の低いイエローでした。ですが、私の住む地区近辺だけを見ても感染者の報告は多く、住民の間では本当に大丈夫なのかと言う声が出ていた程でしたので、結果的にはウンブリア州独自の州令が発令され、国の定めたイエローゾーンよりも厳しい規制が定めらました。そしてその後、首相令でもウンブリアはイエローゾーンからオレンジゾーンへと変更になり、それにより飲食を伴うレストランやバールは営業休止に。週末のショッピングセンターは休業、市外への移動も規制となり今に至っております。

 やっと新たに、そして最終キャリアとして学生の登下校用路線バスの運転手という仕事についていた夫は、ウンブリア州令により全ての中学・高校・大学が基本的にオンライン対応となってしまったので、またしても在宅になってしまっております。

11月末の段階でもイタリア国内1日の死者数が毎日800人以上という現状は、決して明るいものではありませんが、州令は11月末までの有効となっており、首相令に関しては123日までとされているので、この先の対応がどうなっていくのか注目されるところです。

と、今正にこの文章を打っている最中に、ウンブリア州令の有効期限の延長が発表されました。新たな有効期限は126日です。我が家の息子達は引き続きオンライン授業の日々が続きます。

 日本もこの所、日々の感染者数増加の傾向が深刻で、各都道府県の知事が対応に追われています。Go Toキャンペーンを利用して、紅葉の美しい季節に旅行を楽しまれた方々も多い一方で、日々不安な毎日を過ごされている方も多いのではないでしょうか。

今この瞬間、ウイルスと闘っている方や、また感染の危険と隣り合わせの中医療現場で治療に当られている医療従事者の方々を思うと言葉がありません。

同じことの繰り返しの様ですが、1日も早い終息を祈りつつ、今私たちが出来る事は何であるのか今一度認識したいと思います。

 コロナコロナと、新型コロナウィルスに振り回された2020年も残り約1ヶ月です。

イタリアでは最も宗教的に重要で神聖な時期がやってきます。

半ロックダウン状況の中、ご近所でもクリスマスの飾り付けやイルミネーションを設置したお宅が見受けられる様になりました。誰もがこう言った伝統行事を守る事で、少しでも平常に近い日々を過ごそうという思いが伺えます。

 せめてクリスマスや年越しには、家族親戚集まって楽しく美味しく過ごしたいという声と、今年はその様なパーティは忘れて、犠牲になられた方やそのご家族、また医療従事者の方々に想いを寄せて過ごしましょうと言う声とが聞かれます。どちらがどうと言うつもりはありませんし、この先クリスマス時期の私たちの行動がどう規制されるかはまだ分かりませんが、一つ言えるのは、たとえ宗教上の大切な時期であろうとも、やはり一番は感染状況などを考慮して、各々が的確な行動を取らなければならないと言う事です。一番危ぶまれるのは、その時期に気を緩めて更に状況を悪化させてしまう事です。心して気を付けたいと思います。
今は誰もが苦しい状況ではありますが、朝が来ない夜はない!最悪の事態と思われても、最悪だったらそこからは良くなるしかない訳ですから、やはり日々感謝して出来るだけ穏やかに過ごせる様に努めたいと思います。自然の中のウオーキングが許されているのは、正についていますよね。ありがたいです。

 2020年、まだ終わった訳ではありません。

一つでも多くの笑顔を残せる年にできる様、しっかり日々過ごします。

皆様方も、どうぞくれぐれもお身体ご自愛下さいませ。

明るい明日を信じて過ごしましょう。

イタリア、アッシジから奈緒美でした。