奈緒美のイタリア便り

No135
(2020年7月)

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Ciao a tutti!
暑中お見舞い申し上げます。

2020年も後半に突入しました。
新型コロナウィルスは、依然世界中でその執拗な力を奮っておりますが、
日本においてはそれに加えて集中豪雨. 被害を受けられ命を落とされた方々に心からのお悔やみと、被災された地区の皆様に
心よりお見舞い申し上げます。
未だ避難生活中の方々、孤立されている地区の方々が、一刻も早く安心して休む事の
できる状況となります様、お祈りしております。
これ以上被害が大きくなる事が有りません様に。
 
こちらはすっかり夏です。
今年は残念ながら、毎朝のウォーキングルート上には見られませんが少し離れると夏の風物詩であるひまわり畑が目を楽しませ元気付けてくれています。
今のところは猛暑に悩まされる事もなく、もう一つの夏の風物詩であるサグラ
    (各地区で開催される収穫祭やお祭り)が一切無い事と、忘れずにマスクを持って外出
   する以外は例年とあまり変わらない夏を送っています。
ロックダウン前から躊躇して行かずにいた病院に、次男ヴァレンティーノを連れて行って
来ました。潰瘍性大腸炎の次男は、3ヶ月おきに血液検査と検便を受ける様に主治医
から言われています。一年に一度は内視鏡検査も受けており、4月のロックダウン中に
主治医から連絡はきたのですが、中学の卒業試験の概要が当時まだはっきりしておら
ず落ち着かないでいたのと、何よりも大きな病院にその時期に入院する事を私が恐れ
て先延ばししてもらう事にしました。
    
検査の為に病院に行くと、病院入り口に既に列がありました。看護師二人が来院者の
氏名や連絡先、検温と新型コロナウィルスを疑う症状が無い旨サインをさせる帳面に
一人ずつ記帳させ、それから各病棟を目指させると言う手順でした。もちろんマスクは必須   です。 
私たちは小児科を目指さなければならなかったのですが、その前に予約・受付センターに行き受付を済まさなければなりません。ホームドクターからの処方箋を出し、検査に必要なチケット(後に血液採取の容器に貼られるラベル)はそこで出してもらい、支払いを済ませてから小児科を目指すと言うのが、こちらの総合病院での流れです。
ところが、何とその朝に限ってコンピューターがシステムダウンを起こしていて、受付作業が出来ないと言うのです。その時点での見解から、いま復旧作業をしているのでいずれ動き出すだろうから、例外的にまず血液採取をしに行って下さいと言われました。その後に戻って来てチケットを出したり支払いをする事で時間稼ぎになりますからと。誰もがそれを信じて疑わない状況だったので、言われるままに小児科病棟に行き事情を話し、血液採取は滞りなく済ませる事ができました。
が、問題はそこから・・
コンピューターのシステムは相変わらず復旧されないままで、病院外の列も病院内のその受付センター前の列も当然ながら人で溢れ始めています。
それでも、一度動き始めれば流れは早いだろうと、お腹を空かせたヴァレを連れてまず
病院内のバールに行き朝食となるパニーノを食べて待つ事にしました。結果的には
そこから待つこと2時間以上となったのですが(苦笑)。
                        
 後から出直したいと思っても、幸か不幸か血液はすでに採取してしまっていて、全て採血容器は番号で管理されているので検査を受けなかった事にはできず、ただひたすら待つしかなかったのです。病院内の受付センター前の人々も、人数制限の為に受付センターまで入れず病院の外で列を成したまま待たされている人々も、次第に苛立ちを隠せずあちこちで苦言を吐いたり言い合いになったり。 なので、朝食も済ませた事だし車にスマホを忘れて来ていた事もあり、車で待っていると言うヴァレを、私も病院内に残し続けるより車の方が安心かと鍵を渡して車で待たせる事にしました。朝到着した時よりも気温が上がっている事など考え付かず、何も言わずに車に行かせたのが運のつき・・・やっとシステム復旧してやるべき事を終え、やれやれと車に戻った私を待っていたのはバッテリーが上がりエンジンかからない車でした・・とほほ。暑くてエアコンつけようとしたそうで(泣)。
まぁそんなこんなで新型コロナ渦、今までとは違う状況を一つ一つ体験しながら日々
過ごしております。新たな感染者数は増減を繰り返している中で、以前よりも緊張感は
確実に薄れ気味。
正しくおそれてしっかり予防、まだまだ気は引き締めなければと思う今日この頃です。
日本の皆様方も何卒お気をつけて。
2020年後半、少しずつ平穏を取り戻せる日々であります様祈って。
Ciao alla prossima!
イタリア・アッシジから奈緒美でした。