奈緒美のイタリア便り

No134
(2020年6月)

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Ciao a tutti!
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウィルスは、すっかり私たちの生活スタイルを変え、今尚強かにその影を潜め人々を脅かしておりますが、早いもので2020年も折り返し地点が近付いて来ています。
我が家は幸い、家族揃って健康に過ごす事が出来ており、本当にありがたい事と感謝しています。
イタリアでは6月3日から、規制されていた州を超えての移動が解禁され、EU内の行き来も相手国によりますが自由となりました。先月のイタリア便りで記した様に、5月4日から第二段階に入り、建設業の再開やテイクアウトの飲食店の再開、同州内なら親族を訊ねて行く事が許可されました。その後18日から一般のお店が営業再開。当初と6月1日からとされていた店内での飲食を伴う飲食店の再開や、美容院やエステの営業再開も前倒しになったり、25日にはジムも再開と徐々に日常を取り戻しつつあります。
とは言え、感染予防の為の注意は最大限に払わなくてはなりません。各店の入店にはマスク着用が義務付けられ、入口には消毒ジェルが置かれています。一度に入店できる人数が制限されているために、間隔を開けて並んでいます。約2ヶ月の軟禁生活に慣れ過ぎてしまった私も、5月4日以降買い物に出る様にはなりましたが、外出回数を最小限に保つ為にある程度まとめ買いをしたり、無くても済むものなら無いまま済ませると言うスタンスのままです。
私の日課の早朝ウォーキングも、5月4日に約2ヶ月ぶりに再開しました。
こんな素敵なところを毎日歩けていたんだなぁと、広い空を見上げ遠くの山々を見晴らしながら外の空気を思いっきり吸い込んでいます。最初の数日間は太腿のあたりに筋肉痛を感じ、家事をしながら毎日階段の上り下りを繰り返していても、運動量には全く足りないのですね。
6月に入ってからの天気は雨や雷マークが目立ち、まるで梅雨?! 歩きに行けずうずうずしています。
さて、イタリアの学校は学年末を迎えました。
3月第一週からオンラインでの授業に切り替わった子供達ですが、そのまま終業です。
そして、中学校によってはこれからと言うところもある様ですが、我が家の次男は正に卒業試験から解放されたところです。
学校が閉校となり授業がオンライン化した当初は、今年度は例外的に留年者を出さず、全生徒進級及び卒業とみなすとされていました。それで安心し切ってタカを括っていた次男ですが(苦笑)、学校休校が長引くと生徒により家庭での取り組みにどうしても差が生じます。文部省もやはり例年通り留年の可能性も設けると訂正。にも関わらず、相変わらずギリギリまで取り組まずに放置しまくり、直前に焦りまくって半泣き状態・・卒業小論文は提出期限のギリギリ2時間弱前に何とか送信完了した次男でした。
その数日後の口頭試験は、提出した小論文を一人15分間で解説するプレゼンテーションです。
弁論大会に似ています。オンラインとは言え、10人前後の教師陣の前ですから考えるだけでも緊張します。イタリア人が一般的に話し好きで主張するのが上手(他人の話を聞かないのがたまに傷)なのは、こうやって場に慣れさせられるからですね。
今年度の卒業試験は簡略化されており、三年前に経験した長男曰くは”今年度の中三はラッキー”だそうですが、全てがオンラインなだけに、長男の時にはなかった音声録音のデータ挿入等、我が家においては長男がいてくれたお陰でなんとか形に出来ましたが、もし本人がきちんと把握出来ておらず、親も私みたいに外国人しかもテクノロジー音痴だったとしたらアウトではなかろうか・・・そんな事も頭を過ぎる、なかなかレベルの高いものだと感じました。
因みに次男の中学卒業小論文のテーマは”Il Giappone(日本)”だったのですよ。
母の贔屓目と言われるかもしれませんが、毎年進級が危ぶまれる中何とか乗り切って来た次男が、最後の最後にまた”ギリギリでの底力”を発揮した卒業小論文。その出来にはホント感心しました。結果発表はまだ先ですが、良い評価を期待したいと思います。
そんなこんなで早くもこちらは子供達の夏休みに突入しました。
まだまだ安心出来ない新型コロナウィルスの影響下の世の中ですが、少しずつでも平常を取り戻しながら、予防を怠らずに引き続き慎重に過ごしていきたいと思います。
感染予防に加え、日本は既に熱中症対策も必要となってきておりますが、
皆さまくれぐれもご自愛くださいね。
 
Ciao alla prossima!
イタリア・アッシジから奈緒美でした。